農業用水路トンネルに発生している変状

農業用水路トンネルにおいて、供用中のトンネルに発生したひび割れに多く見られる特徴は、スプリングライン付近に生じている点です。これらのひび割れは、いずれも同様のメカニズムで発生したと思われ、その原因としてトンネル天端背面に存在する空洞が考えられます。

haimen
この空洞は、施工技術の未熟な時代に施工されたトンネルに多く見られ、図に示すように天端部分の覆工コンクリートが充填不足となることで、発生したものであると推測されています。

スプリングライン付近のクラック

スプリングライン付近のクラック


設計時に前提としたトンネル外周地圧が全周等分布の状態になるという状態を満足しなくなり、ひび割れが発生したと考えられています。

クラック部分のコア抜き状況

コア抜きされた部分

コア抜きサンプル